2011年5月1日日曜日

DAYS JAPAN 「暴走する原発」より

東日本大震災から52日目、風薫る「べき」五月を迎えた。
昨日、何年ぶりか、太郎たちと多摩川・秋川橋上流に川遊びに出かけた。
山は新緑の季節を控えて萌え、清流は美しかった。
ロミくん(太郎の飼犬)は川水に戯れ、こんな状況でなければ心楽しい五月の川遊びだったはずだ。
しかし、福島第一原発から放出される放射性物質は東日本の大地と海、北半球の大気を汚し続けている、この事実がこの社会の未来を暗く閉ざしている。

広河隆一氏が責任編集する「DAYS JAPAN 5月号」の緊急報告「暴走する原発」からメモする。

広瀬隆氏の報告「福島原発で何が起きているのか」の最初の見開き写真(2011.3.11)が、この原発の惨状をつぶさに伝える。

今回(3.11)の揺れは「最大2,933ガル」
2008年6月14日岩手・宮城内陸地震は史上最大の揺れ4,022ガルを記録

今回(3.11)の津波の高さは15メートル、遡上高さ20メートル(4月5日現在判明している限り)
明治三陸地震の津波の高さは38メートル

原発の設計者である日立・東芝・三菱の技術者たちを、東電はすぐに招集しなかった。
(具体的な構造を知らない者が当初の対策立案を担った)

テレビの責任の大きさ
コメンテーターに、原子力の推進者、今回の事故の責任者が多数出てきている

3月15日の静岡の地震(静岡県東部が震源、富士宮市で最大震度6強)の意味
1633年寛永小田原自身に始まる(75年の)周期性のある地震
・・・最後は1923年の関東大震災

広瀬隆氏の『原子炉時限爆弾』(ダイヤモンド社、2009年4月)による浜岡原発の危険指摘

私(千葉)は、今回のような事態では、水や食料よりも、まず正確な情報が大切と確信しています。
今、政府・電力業界・マスコミが皆、事態の巨大さの前に狼狽え、市民の力を信頼することもできず、保身に走っていることに限りない情けなさを覚えます。
一方、市民社会には城南信用金庫の「脱原発宣言」のように、正気の論を唱える方たちもたくさん出てきています。
私どもも、希望を取り戻すために、力の限り努めていくことを重ねて表明致します。

【以下、続く】

2007年4月18日水曜日

トータル・システム研究所

昔、阿佐ヶ谷にトータル・システム研究所(TSI)というソフトハウスがあった。私共メソッドの古巣である。1980年代の後半、最盛期には100名ほどのメンバーがおり、ユニークな組織論で一部に知られた会社だった。いや、正確には休眠状態で現存するらしい。・・・今日、そのトータル・システムの元代表のM氏が来訪。さすがに加齢の印象は否めないが、奥多摩で微生物のプラントをたちあげたとか、氏の「めげない元気さ」は健在だった。

だが、なぜTSIはうまくいかなかったのか。バブルの時期には大幅に業績を伸ばし、あちこちのゼネコンから強く提携を申し込まれるほど優秀なプログラマもいた。しかし、バブル期が過ぎた後の数年の落ち込みを乗りきることができなかった。TSIのユニークな組織原則をごく簡単に言うと、数名のグループ制をとり、TSIには各グループの売上げの10%を納めることだけを義務とする、といったことである。社内に小さな会社をたくさん抱えているようなことになる。
【写真】多摩川上流のようす(御嵩付近 2007.4.15)

こんな素朴な規則であっても、業績が右肩あがりのうちはよかった。しかし、その後、売上げが極端に減少した時期には、まったく求心力が働かない状態だった。私たちの(メソッドとなって独立した)グループも含めて、ほぼ3年くらいの期間にTSIは四分五裂状態となった。そして、メソッドはTSIから独立した後、この15年あまり、少なくともグループ制はとらない(そういう規模でもない)、社長が責任を負う普通の組織としてやってきた。

・・・もちろん、ここに書いたことはごくごく大雑把なスケッチである。TSIの組織論(プロジェクト制と呼ばれていた)はひとつの実験ではあったかもしれない。今、それを振り返るだけの価値があるのかどうかも定かではない。

2007年4月16日月曜日

新しいビジネス・コミュニティ・ネットワーク=ポップシンク

直前のご案内になって大変申し訳ございませんが、今週末(4月20日)、以下の要領で第1回ポップシンク勉強会および「ゆひ」設立準備会を開催することと致しました。どうぞ、皆さまのポップシンク、皆さまの「ゆひ」として発足できますよう、万障お繰り合わせの上、ご参集頂きますようご案内申し上げます。

2007年4月20日(金)
 16時~18時 第1回ポップシンク勉強会・・・(株)メソッドにて
 19時~21時 ゆひ設立準備会・・・荻窪駅「はなの舞」(03-5347-9305)にて

以下、第1回ポップシンク勉強会にポップシンクとしてご提案申し上げる内容です。この他に、メソッドとしてすでにアップロードしたコンテンツ、準備中のコンテンツをお示しして議論を進めたいと考えております。ご参加をご検討の皆さまにも、ぜひ前向きなご意見を頂きたくお願い申し上げます。

1.ポップシンク・・・発想の背景

社会公共分野のコンサルタントは、通常、その業務を通じて社会のあらゆる方面に通暁しているものです。そればかりではありません。1970年代以来、私たちは、常に社会の先端、未開拓の分野に関わることで自らの道を拓いてきました。産業立地、都市開発、商業計画、環境分析、福祉介護、教育や文化施策・・・と、時代が進むにしたがって、そのメインとなる分野も大きく変化してきました。

ところが、今、その私たちにとって、経営上、大変厳しい状況が訪れています。その原因は、何よりも、主要な顧客である市町村などの行政団体が、深刻な財政危機に陥っていることです。施策の基礎となる地域の調査や計画検討に相当の予算を準備することが難しい状況です。またこれに対応して、経営が苦しくなったコンサル会社が極端な安値受注に走る現実もあります。先週、名古屋市において、国民健康保険組合としての新しい事業計画策定に関連する業務委託を、概ね予想される水準の約4分の1で入札したコンサルタント会社がありました。もちろん、こんなことは昔も今もけっして珍しくありません。

しかし、大手のシンクタンク企業はともかくとして、このような安値競争に巻き込まれて、生き残ることができる専門コンサルはありません。こうしたことから、私たちは、最新のウェブ環境を充分に利用して共同のプロモーションの場を創造し、新しい顧客層を獲得していこうと考えました。

2.新しいウェブ環境と専門コンサルタント

この数年のウェブ環境の進化のスピードはますます速くなっています。ブログの利用者は国内だけで1千万人とも言われ、ミクシィなどSNSといわれるサービスの成長も急速です。とくにユーザが少し手を入れるだけで体系的なサイトを構築することができるブログシステムは大変魅力的です。また、実に多様なSNS的サービスが毎日のように生まれつつあります。

私たち専門コンサルにとっても、きわめて刺激的なウェブ環境が到来したと言えます。今日、私たちは、求めるテーマについて多くのかなり詳しい情報をウェブ上で得ることができるようになりました。そして、実際にもほぼ毎日こうした情報をチェックしながら、仕事を進めています。もちろんウェブ上には根拠のあいまいな情報、誤った情報が少なくないことは事実です。しかし、情報の真贋を見分けることもまた私たちの仕事であれば、力量のあるコンサルタントにとって、実に面白く、かつうかうかとはしていられない時代がやってきたということになります。

3.クライアントに「直接のプレゼン」ができる、また「定価主義」について

この投稿の末尾に示した別表をご覧下さい。これは、メソッドが開設している「特定健診・特定保健指導研究フォーラム」というブログサイトの数日間のアクセスログを集計したものです。3月末に、厚生労働省が、このメタボリック・シンドローム対策の計画ガイドラインを発表すると、このサイトへのアクセス数はそれまでの数倍に跳ね上がりました。「特定健診」「特定保健指導」などのキーワードで検索すると、このサイトが比較的上位にランキングされるためです。

特定健診・特定健康指導研究フォーラムのトップページ

サーバ名から、市町村(国保)担当課からと思われるアクセスが少なくないことがわかります。全国や地域の保健・保険関連団体・企業、医療機関、製薬会社、システム関連企業、また、福祉系の学校と思われるサーバ名もあります。数千万人の健診、生活習慣病対策が根本から変わろうとしている時に、それぞれの立場の数多くの人々が最新の情報を求めて検索を行っているのです。

ここで、市町村の国保担当者はどのような情報を求めてこのサイトにやってきたのでしょうか。もちろん、その正確なところは、このログだけからはわかりません。しかし、もし今、私たちがこのサイトに「国民健康保険組合としての事業計画づくりに役立つ情報」を適切に掲載すれば、メソッドに対する信頼が大変大きくなることは確実だろうと思います。場合によっては、問い合わせが来るかもしれません。引き合いがくる可能性もなきにしもあらずです。

要は、適切な情報をタイミングよくサイト上に掲載しておくだけで、その情報を求める全国の「見込みクライアント」の机上に、最少の費用である意味で「プレゼン」と同等の情報を届けることができるということです。ここで「適切な情報」が何であるのかについては、もちろん大いに研究の余地があります(本日-4月20日-の勉強会の目的もそこにあります)。少なくとも、具体的であること、わかりやすいことなどは必須であろうと思います。また、特にサービス情報について、サービスの提供価格を(概ねでもよいから)明示する、ということも非常に大切な点だと考えています。これをポップシンクの「定価主義」として原則化することがよいかも知れません。

もちろん、もし引き合いが来ても、自治体の場合は、そこから入札やコンペなどが始まり、それはそれで大変かもしれません。しかし、さらに言うならば、ここでやってくる「見込みクライアント」が誰なのか、それをあらかじめ言うこともできないのです。意外なところから仕事がくるかもしれません。ポップシンクは、むしろそうした想定外の新しい顧客層の開拓を基本的なねらいとしているのです。

4.誤魔化しは不可能、ハッタリや情報の囲い込みは意味がない

こうしたウェブ上の情報の展開を、広告の延長でとらえると本質を見誤ります。広告で展開できる情報量は限られます。また、広告は企業から消費者/クライアントへという一方通行を前提としたものでもあります。マスコミを媒体とする広告の場合、高額な宣伝広告費を投じても、注目を集めるのはごく一部に過ぎません。これに対して、ウェブ上で具体的に展開される情報量は膨大です。しかし、膨大ではあっても、消費者/クライアントは、検索の力を利用して必要とする商品・サービス情報に直接アクセスしてきてくれるのです。

しかも、専門コンサルの力を必要としている行政や企業の担当者は、一般の商品を探す消費者と同様に、求めるテーマについて必要な情報をあらゆるサイトをまわって集めます。提供する情報の内容を誇張したり、具体的でなかったりすれば、そのサイトは見向きもされません。逆に言えば、あくまでも正確かつ客観的な情報、具体的でわかりやすい情報、クライアントに役にたつ情報を展開していけばいいのです。クライアントが、このサイト(サービス)がベストと判断するかどうか、・・・この点にすべてはかかっています。

また、単なる情報の囲い込み(小出しにすることを含めて)は意味がありません。今という時代では、誰かが囲い込んだ情報と非常によく似た情報を、すぐに別の誰かがウェブ上に展開するでしょう。誰かが「価値ある」情報を持っていることをクライアントが知る前に、その誰かはその情報と共にウェブの大海に沈没するしかなくなります。

5.ビジネス・コミュニティ・ネットワーク

インターネットを利用してプロモーションを行うという意味では、サイトの信頼性をいかに確保するかという点が、もっとも大切です。ウェブ上で情報を展開し、クライアントの信頼を勝ちとるためには、まず、その情報自身の正確さ、具体性、タイミングのよさなどが問われます。しかし、それを補い、より高い信頼性を確保する方法があります。それは、ウェブ上の情報を、リアルのネットワーク、リアルのビジネス・コミュニティと丁寧に結びつけていくということです。・・・いや、逆かもしれません。あくまでもリアルのネットワークがあって、その共同プロモーションとしてポップシンクがあると考えるべきでしょう。

つまり、ポップシンクは、ウェブの力を最大限に利用して、実際の専門コンサルタントの広汎なネットワークを築いていこうとするものです。したがって、参加される皆さんは、どうぞコミュニティとしてのさまざまなコラボレーションを自由に創造していって下さるようお願い致します。お互いが啓発しあう、刺激しあう試みをたくさんご提案、そして実践して頂きたいと思います。私たちがポップシンクという場で、イキのよい専門コンサルタントとして活躍する時、社会もまた広く私たちの力を信頼し、そして、活用しようとするに違いありません。

6.目標とするコミュニティの規模と業種ミキシング

メソッドは、社会公共系分野をメインとして、1990年代からシンクタンクと建設コンサルの間で活動してきました。しかし、ポップシンクでは、コンサルタントという仕事の意味をもっとも広く捉えたいと考えます。専門コンサルの方々はもとより、弁護士、会計士、医師、あるいは企業や行政団体で企画や経営に携わる方々、さらには大学などの研究教育機関で活躍される方々など、広い意味で専門技術や情報を扱い、人々とコミュニケーションを通じてそれぞれの職責を果たしていくすべての専門家、実務家の皆さんのネットワークを目指します。・・・知的フィールドに関わる方なら誰でも参加できる「みんなの/ポップシンク」なのです。

私たちは、このように基本分野を越えた専門家のネットワークという点に大きな意味があると考えます。これは異業種交流という考え方ともやや違います。「研究」という未知の領域に接しながら、実践的あるいは実務家として日々知恵を絞る人々のネットワークということになるでしょうか。
これまでも、例えば医療関係者だけのSNS、また、ネットを利用した法曹界のさまざまなグループ、あるいは、ミクシィのような巨大な電子ネットワークもあります。しかし、こうした特定業種のネットワークには、同業であるが故に知的な刺激が足りませんし、他方、巨大SNSを営業上のプロモーションには使えません。何よりも、ポップシンクは、業界団体、ギルドをつくろうとするものではないということです。

規模については、お互い「顔のわかる規模」・・・最終的にも、せいぜい3,000人程度を考えています。小規模だけれども、レベルが高く、そこで展開される議論やコミュニケーションのスタイルが非常に広汎な社会的影響力をもつ、・・・これがポップシンクが目指すコミュニティです。

7.ブログシステムの活用

もしポップシンクが発展した場合には、ある程度のシステム投資を行って、専用サイトを構築することも検討課題になるかもしれません。しかし、当面の時期は(グーグルなどの)無料サービスを利用していきたいと思います。

したがって、ポップシンクのウェブシステムは、参加する皆さんがつくる大量のブログの束、ということになります。そこにどのようにリンクの網を紡ぎ、わかりやすくセグメント化するか、そういった点も、相互に研究しながらサイトを創りあげていきたいと考えます。

8.事業規模の見通し

先日の『これからの「普通の会社」のつくり方』に、「ポップシンクの3年後の目標は、参加企業20社、取扱高10億円、売上げ5,000万円(取扱高の5%)、経常利益1,500万円、・・・程度を想定」と書きました(3月29日)。今のところ、これを訂正する理由は出てきていません。同時に、こうした規模と言いきる根拠も(正直に申して)さほどしっかりしている訳ではありません。すべては、ここからの私たちの頑張りにかかっている、ということになります。
どうぞ、よろしくお願い致します。
(文責・株式会社「ゆひ」準備会/千葉)


(補注)以上のテキストは2007年4月16日に公開後、準備会(メソッド)での議論を踏まえて、一部修正を行ったものです。

(別表)



2007年4月5日木曜日

P=ブログについて

★ ポップシンクのトップページ(案)
ポップシンクのひとつの参加の形として、P=ブログ(ポップブログ)を提案したいと思います。ここでP=ブログと名づけるブログ分野は、ビジネスブログないしNPO的ブログの全体(ソーシャル・ブログというべき?)とイメージしています。

先日、「ゆひ」の設立趣意書についてメールで頂いたご意見として、古い友人であるSさんが、つぎのように書いておいでです。

 ・・・「コンサルタント」と言う用語は難しいですね。例えば☆☆コンサルタントと名乗る方で、サービス内容に疑問なものも少なくないようです。他に適用な用語が見当たらず、私もコンサルタントと自称することがありますが、悩ましいです。・・・

まったく、その通りですね。しかし、これは、ある意味で止むを得ない面があるような気もします。ところで、コンサルタントという仕事にもさまざまな分野がありますが、どのようなテーマに係わるにしろ、私たちは「社会」という無限のつながりのなかで活動している訳で、とくにコンサルタントには、あらゆる方面の一般知識に精通していることが求められるといえるでしょう。

ですから、P=ブログは、あえてビジネスブログに限定せず、私たちが広い意味でのコンサルタント(広く専門家としての助言を業とするもの)として関心を持つすべてのテーマ、問題に関して自説の展開、他説の評価を自由に行っていく場としたいと考えております。

なお、ブログは基本的に「深堀り」です。このため、P=ブログは、ポップシンクのコミュニティ・ネットワークの「横つながり」を強くすることでサポートされる必要があります。こうした「広場」的役割りをもつ場についても設定、充実させていく方針です。

どうぞP=ブログへの皆さまのご参加をお願い致します。

【P=ブログの参加方法】
P=ブログの趣旨から大きく逸脱しないブログを展開してください。皆さまの活動実績を具体的に展開することを含めて、営利/非営利を問わず、また内容は自由です。次のいずれかの方法でご参加ください。

★A ・・・ すでに皆さまが書いて来られたブログをP=ブログに参加させる
  お申込み頂ければ、ポップシンクのロゴ(コード)をお送りしますので、そのブロ
  グのサイドバーなどに貼りつけて下さい。
★B ・・・ ポップシンク運営事務局でブログを設定し、皆さまにお書き頂く
  この場合、2人以上が交替で書くチームブログにすることもできます。テーマや更
  新方法等について、運営事務局が丁寧にフォロー致します。

いずれの場合でも、ポップシンクのP=ブログリストに簡単な紹介文と共に掲載し、そのブログへのリンクを設定させて頂きます。以上、お申し込み、ご連絡をお待ち致します。

2007年3月29日木曜日

事業見通しについて

2月末の「設立趣意書」の公表以降、現在までに10名を超える皆さまから温かい激励のメッセージ(うち6名の方から合計250万円にのぼる出資のご意向)を頂きました。直接お返事を差し上げていない方もおりますこと、この場でお詫び申し上げます。

ところで、激励のメッセージと共に、趣意書の内容について「収益構造が具体的でない」といったご指摘がありました。確かにその点、大いに説明不足、考えが足りないと反省しております。

ポップシンク=専門コンサルタントの共同プロモーションの場

ポップシンクは、基本的につぎの2つの機能をもつものと考えております。
1)知的フィールドで活躍する広汎な人々のネットワーク・コミュニティ
2)専門コンサルタントの、営業を目的とした新しい共同プロモーションの場

ここでは、2)について、少し考えてみたいと思います。

私たちメソッドなどをひとつの典型とする社会公共分野の専門コンサルタントは、1980年代以来、大手銀行系シンクタンクや建設コンサルタントに協力し、しばしばその最先端の技術開発を担いながら、主に市町村などの地方自治体を顧客として活動して参りました。しかしながら、ここ数年の市町村財政の悪化と調査業務発注制度の中途半端な改革は、次第に私共が自らの力量を発揮する業務を受注できないといった状況をもたらしています。

今、大半の市町村発注の調査業務は「安かろう、悪かろう」でよいという考え方に支配されています。このことが、優秀な研究員に超長時間労働を強い、技術的に優れた専門コンサルタント会社をつぶし、結果として、いわゆる金太郎アメ的計画書のオンパレード=税金の浪費をもたらしています。こういう状況は、専門コンサルにとっても、レベルの低い計画書や調査報告書を押しつけられる市民にとっても、実に不幸な事態だと言わなくてはなりません。

ところで、今、私たちの活動する時代は、(とりあえず語の出典を論じませんけれども)いわゆる「ウェブ2.0」というインターネットの新しい段階を進みつつあります。この時代の変化がもたらす力を、私たちは専門コンサルタント企業としての発展のために100%使ってみようと考えました。・・・それが、ポップシンクです。

★1 検索技術の高度化 ・・・ グーグルを先頭とする検索機能の発展によって、私たち専門コンサルタントは、自らの顧客を従来の固定的人間関係、企業間関係のルートに留まることなく(言葉はよくありませんが)「捕まえる」ことが可能になりました。もともと私たちの顧客はそれほどたくさんいる訳ではなく、業務によっては全国に数人といったことも稀ではなく、新制度で全自治体に計画策定が義務づけされる場合(例えば介護保険計画)などでもせいぜい1,800市町村といった規模に過ぎません。そういう点で、私たちの「市場」は、そもそもがロングテールにあったということができます。

そして、単なる計画の焼き直しではなく、新しい機軸の計画や調査を求める発注の担当者は、もっとも相応しい専門コンサル(研究員)をネット上で「発見」することができる時代になったということです。

★2 ブログなど新しい情報発信手段の普及 ・・・ 皆さんは、ここに示した「おねだりボーイズ」をご存知でしょうか。

この間、マスコミで取りあげられていますが、7人のサラリーマンが共同で書いている商品評価ブログで、月間200万PVと評判です。内容が人々に求められるものであれば、中途半端な企業のホームページを遥かに凌ぐ影響力をもつことができるのです。

ブログを書くこと自体が非常に簡単です。ほとんどワープロで文章を書くのと変わりません。しかし、それが、高価な制作費を投じる企業のホームページより影響力をもつ場合があるということです。ここで見るとおり、デザイン、レイアウトも大変きれいですね。ところで、この私が今書いているブログも、グーグルの無料サービスを利用しているものです。

★3 ウェブ・ブランディングの必要性 ・・・ こうした大きな変化の時代のなかで、ホームページ制作に携わってきたサイドからは「ウェブ・ブランディング」という考え方を提唱する人々も現れてきました(『Webブランディングの入門教科書』名村晋治著)。

これを一言でいうのは難しいかもしれませんが、ある面からみれば、マスコミを利用した宣伝の延長としてのホームページとはまったく違う、ユーザとのコミュニケーションベースのページという考え方です。この本で名村さんが展開されているとおり、現在のユーザは、求める商品やサービスについていくつもの企業サイトを調べ、もっとも求めるものに近い商品やサービスを購入するようになっている、ということでしょう。

私たち社会公共分野の専門コンサルタントが提供するサービスについても、同様の傾向があきらかにあるのではないでしょうか。先にも書いたとおり、調査分析や計画策定を発注しようとする自治体担当者は、とくに「よりよい結果」を求める方であればなおさらのこと、該当業務を行うシンクタンク、建設コンサルなどのサイトを検索し、研究して、もっとも具体的でわかりやすく信頼性がありそうなところに相談をもちかける、ということになりそうです。おまけに、そのページに、概ねの参考予算が示されていれば非常によい、ということになります。・・・よほど懐に余裕のある方でない限り、「時価」なんて棚書きしてある寿司屋に入らないのと一緒です。

ですから、もうここでは、一般的に「☆☆計画策定業務をお引き受けします」と書くだけでは、まったく不充分です。その業務について、1)業務の基本的考え方、2)現状把握の方法、3)目標設定の基準、4)施策検討の方法、5)スケジュールと予算、などが、できる限り具体的に示されている必要があります。こうした展開をしているページについて、発注担当者から問い合わせが入れば、それはもう発注先候補のベスト3くらいには入っていると考えていいのではないでしょうか。

このように考えると、私たち専門コンサルにとって、実によい時代が来たものだと思ってしまいます(もちろん、喜ぶのはまだ早いですが)。あとはとにかく実行してみよう・・・、私自身は、今、このように考えています。

ポップシンクの3年後の目標は、参加企業20社、取扱高10億円、売上げ5,000万円(取扱高の5%)、経常利益1,500万円、・・・程度を想定しています。この点、趣意書の内容と違ってきていると思いますが。

以上、どうぞ、皆さまのご意見、コメントをお寄せ頂きますよう、お願い申し上げます。

ポップシンク、トップページのイメージ

ポップシンクとその運営会社となる「ゆひ」の設立準備、なかなかに進まず、ご迷惑をお掛けしております。この2月末の「設立趣意書」の公表から、たくさんの方に応援、ご協力の申し出を頂き、心から嬉しく思っています。

これからやらなくてはならないことが山ほどある中で、ささやかな第一歩ではあるけれども、インターネット上のシンクタンク=ポップシンクのトップページのイメージをつくってみました。メソッド社内の評判は悪くないのですが、皆さまの感想をぜひお聞きしたいところです。・・・説明ヌキで申し訳ありませんが、どうぞよろしくお願いします。
_:~.._:~.._:~.. ポップシンク=トップページのイメージ _:~.._:~.._:~..

3月14日の「2つのメーリングリスト」の最後のところに、トップページをどこに置くか悩んでいる、と書きましたが、とりあえずトップページ自体もひとつのブログとしてつくってみました。これについては、古くからの友人であるSさんからメールでご助言を頂きました・・・ありがとうございます。

2007年3月14日水曜日

2つのメーリングリスト

このブログのタイトルを、これからの「普通の会社」のつくり方、・・・と変えてみました。このタイトルは、もちろん、近藤淳也さんの「へんな会社」のつくり方、を意識しています。近藤さんは、去年、シリコンバレーに移住してしまったけれども、私は私なりに、近藤さんがきり拓いたやり方が、けっして「へん」でも何ともなく、これからの時代には大いにアリの会社づくりなんだということを示していけたらよいと考えています。

【写真】メソッドで使っているテーブルは、2004年秋に荻窪駅北口から南口の現事務所に移転した際、平塚の上田良雄さんにつくって頂いたもの、・・・現在は6脚の椅子とともに、大変重宝している

2006年11月のメソッド15周年記念パーティの頃から議論が始まった新事業ですが、ほんとうにいろいろな社内外の議論、そして試行錯誤を経て、2月末にようやく株式会社『ゆひ』設立趣意書がまとまりました。この趣意書について、たくさんの方からご賛同を頂きました一方で、何人かの方から「事業の具体的な見通しができていない」というご指摘も頂きました。これは実にもっともなことで、その点を詰めることを最優先に取り組みを進めていこうと考えております。

設立趣意書ができたことで、ようやく形がつき始めたということもできますが、私自身はまだ大いなる混沌状態で、「いったい、何から手をつけたらいいんだろう?」というのが実態です。しかし、その中で、まず2つのメーリングリストをつくることから始めようと思い至りました。それは、・・・

 ポップシンクレポート ・・・ 「ゆひ」出資者、メソッドでご縁のあった皆さま、そして、ポップシンクに興味を感じるすべての皆さまにお送りするメールマガジンです。当初は約120名の皆さまにお送りすると共に、1年後の目標規模を1000名とします。
 ※補注・・・今日(3月14日)、118名の皆さまに「招待メール」をお送りしました(グーグルによるチェック終了後に配信されます)。どうぞこれをお受け頂き、レポートの読者となって頂くようお願い致します。

 ポップシンク運営メーリングリスト ・・・ 私を含む運営事務局メンバーとポップシンクに参加される皆さまのメーリングリストです。ポップシンクの具体的な進め方がテーマで、リストのメンバーは全員が相互にメンバーを確認でき、発言/発信できるものとします。当初は参加者30名(出店5社)程度、1年後の目標規模を100名(出店20社)とします。

以上、この「2つのメーリングリスト」が、新事業=ポップシンクのネットワークの基本となるものです。大変、大事なところだと思いますので、どうぞご意見を下さいますようお願いします。

ところで、現在の最大の悩みは、「ポップシンクのトップページをどこに置くか」という点です。ポップシンクの構成ページの大半を(無料の)ブログシステムで作成することは動かさないようにしようと思うのですが、問題は事業の「顔」となるトップページです。これについては、1)新しくポップシンクとしての独自ドメイン(URL)を取得する、2)メソッドURLの一部に「間借り」する、3)ブログシステムでつくってしまう、・・・さて、どうしたものでしょう?