2007年3月29日木曜日

事業見通しについて

2月末の「設立趣意書」の公表以降、現在までに10名を超える皆さまから温かい激励のメッセージ(うち6名の方から合計250万円にのぼる出資のご意向)を頂きました。直接お返事を差し上げていない方もおりますこと、この場でお詫び申し上げます。

ところで、激励のメッセージと共に、趣意書の内容について「収益構造が具体的でない」といったご指摘がありました。確かにその点、大いに説明不足、考えが足りないと反省しております。

ポップシンク=専門コンサルタントの共同プロモーションの場

ポップシンクは、基本的につぎの2つの機能をもつものと考えております。
1)知的フィールドで活躍する広汎な人々のネットワーク・コミュニティ
2)専門コンサルタントの、営業を目的とした新しい共同プロモーションの場

ここでは、2)について、少し考えてみたいと思います。

私たちメソッドなどをひとつの典型とする社会公共分野の専門コンサルタントは、1980年代以来、大手銀行系シンクタンクや建設コンサルタントに協力し、しばしばその最先端の技術開発を担いながら、主に市町村などの地方自治体を顧客として活動して参りました。しかしながら、ここ数年の市町村財政の悪化と調査業務発注制度の中途半端な改革は、次第に私共が自らの力量を発揮する業務を受注できないといった状況をもたらしています。

今、大半の市町村発注の調査業務は「安かろう、悪かろう」でよいという考え方に支配されています。このことが、優秀な研究員に超長時間労働を強い、技術的に優れた専門コンサルタント会社をつぶし、結果として、いわゆる金太郎アメ的計画書のオンパレード=税金の浪費をもたらしています。こういう状況は、専門コンサルにとっても、レベルの低い計画書や調査報告書を押しつけられる市民にとっても、実に不幸な事態だと言わなくてはなりません。

ところで、今、私たちの活動する時代は、(とりあえず語の出典を論じませんけれども)いわゆる「ウェブ2.0」というインターネットの新しい段階を進みつつあります。この時代の変化がもたらす力を、私たちは専門コンサルタント企業としての発展のために100%使ってみようと考えました。・・・それが、ポップシンクです。

★1 検索技術の高度化 ・・・ グーグルを先頭とする検索機能の発展によって、私たち専門コンサルタントは、自らの顧客を従来の固定的人間関係、企業間関係のルートに留まることなく(言葉はよくありませんが)「捕まえる」ことが可能になりました。もともと私たちの顧客はそれほどたくさんいる訳ではなく、業務によっては全国に数人といったことも稀ではなく、新制度で全自治体に計画策定が義務づけされる場合(例えば介護保険計画)などでもせいぜい1,800市町村といった規模に過ぎません。そういう点で、私たちの「市場」は、そもそもがロングテールにあったということができます。

そして、単なる計画の焼き直しではなく、新しい機軸の計画や調査を求める発注の担当者は、もっとも相応しい専門コンサル(研究員)をネット上で「発見」することができる時代になったということです。

★2 ブログなど新しい情報発信手段の普及 ・・・ 皆さんは、ここに示した「おねだりボーイズ」をご存知でしょうか。

この間、マスコミで取りあげられていますが、7人のサラリーマンが共同で書いている商品評価ブログで、月間200万PVと評判です。内容が人々に求められるものであれば、中途半端な企業のホームページを遥かに凌ぐ影響力をもつことができるのです。

ブログを書くこと自体が非常に簡単です。ほとんどワープロで文章を書くのと変わりません。しかし、それが、高価な制作費を投じる企業のホームページより影響力をもつ場合があるということです。ここで見るとおり、デザイン、レイアウトも大変きれいですね。ところで、この私が今書いているブログも、グーグルの無料サービスを利用しているものです。

★3 ウェブ・ブランディングの必要性 ・・・ こうした大きな変化の時代のなかで、ホームページ制作に携わってきたサイドからは「ウェブ・ブランディング」という考え方を提唱する人々も現れてきました(『Webブランディングの入門教科書』名村晋治著)。

これを一言でいうのは難しいかもしれませんが、ある面からみれば、マスコミを利用した宣伝の延長としてのホームページとはまったく違う、ユーザとのコミュニケーションベースのページという考え方です。この本で名村さんが展開されているとおり、現在のユーザは、求める商品やサービスについていくつもの企業サイトを調べ、もっとも求めるものに近い商品やサービスを購入するようになっている、ということでしょう。

私たち社会公共分野の専門コンサルタントが提供するサービスについても、同様の傾向があきらかにあるのではないでしょうか。先にも書いたとおり、調査分析や計画策定を発注しようとする自治体担当者は、とくに「よりよい結果」を求める方であればなおさらのこと、該当業務を行うシンクタンク、建設コンサルなどのサイトを検索し、研究して、もっとも具体的でわかりやすく信頼性がありそうなところに相談をもちかける、ということになりそうです。おまけに、そのページに、概ねの参考予算が示されていれば非常によい、ということになります。・・・よほど懐に余裕のある方でない限り、「時価」なんて棚書きしてある寿司屋に入らないのと一緒です。

ですから、もうここでは、一般的に「☆☆計画策定業務をお引き受けします」と書くだけでは、まったく不充分です。その業務について、1)業務の基本的考え方、2)現状把握の方法、3)目標設定の基準、4)施策検討の方法、5)スケジュールと予算、などが、できる限り具体的に示されている必要があります。こうした展開をしているページについて、発注担当者から問い合わせが入れば、それはもう発注先候補のベスト3くらいには入っていると考えていいのではないでしょうか。

このように考えると、私たち専門コンサルにとって、実によい時代が来たものだと思ってしまいます(もちろん、喜ぶのはまだ早いですが)。あとはとにかく実行してみよう・・・、私自身は、今、このように考えています。

ポップシンクの3年後の目標は、参加企業20社、取扱高10億円、売上げ5,000万円(取扱高の5%)、経常利益1,500万円、・・・程度を想定しています。この点、趣意書の内容と違ってきていると思いますが。

以上、どうぞ、皆さまのご意見、コメントをお寄せ頂きますよう、お願い申し上げます。

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